デスクに花を飾るきっかけと最初の失敗談
2019年の秋、当時33歳だった僕は、連日の残業で疲れ切った心と体を抱えて、いつものように設計事務所のデスクに向かっていました。モニターに映るCADの図面、散乱した資料、空のコーヒーカップ。そんな殺風景なデスク環境を見つめながら、「何か変化が欲しい」と漠然と感じていたのです。
一輪のダリアとの出会いが変えた働き方
きっかけは、クライアントとの打ち合わせ帰りに立ち寄った花屋でした。店先で目に飛び込んできた深紅のダリア。その瞬間、「これをデスクに置いたらどうなるだろう」という想像が頭をよぎりました。建築設計という仕事柄、空間づくりには慣れているはずなのに、自分のデスク周りには全く気を配っていなかった自分に気づいたのです。

翌日、恐る恐る小さなガラスの花器に一輪のダリアを挿して、デスクの右上角に置きました。すると不思議なことに、いつもの作業スペースが全く違って見えたのです。花があることで視線に変化が生まれ、ふとした瞬間に目を休めることができる。集中力が途切れそうになった時、その美しい曲線を眺めることで、なぜか頭がすっきりしたのを今でも覚えています。
香りの強い花で同僚に迷惑をかけた失敗
調子に乗った僕は、翌週からより積極的にデスクに花を飾るようになりました。しかし、ここで最初の大きな失敗をやらかします。花屋で「香りが良い」と勧められたカサブランカ(白いユリの一種)を購入し、いつものようにデスクに置いたのです。
結果は散々でした。強烈な甘い香りがオフィス全体に広がり、隣のデスクの先輩から「ちょっと香りがきつくない?」と遠慮がちに指摘されました。さらに悪いことに、花粉症の同僚が鼻水とくしゃみを連発し始める始末。僕は慌ててカサブランカを自宅に持ち帰りましたが、その日一日、なんとも居心地の悪い思いをしたのです。
この経験から学んだのは、オフィスでデスクに花を飾る際は、香りの強さと花粉の量を必ずチェックするということでした。
水をこぼしてパソコンを危険にさらした教訓
2回目の失敗は、それから1ヶ月後に起こりました。デスクに置いた花器の水を交換しようとした際、うっかり手が滑って水をこぼしてしまったのです。幸い、パソコンのキーボードに直接かかることは避けられましたが、資料が濡れ、一部の図面を描き直すはめになりました。
この時、僕は重要なことに気づきました。デスクという限られたスペースで花を楽しむためには、安全性と実用性を最優先に考えた花器選びが不可欠だということです。高さがあって重心が不安定な花器や、口が広くて水がこぼれやすい容器は、オフィス環境には適していないのです。
| 失敗例 | 問題点 | 学んだ対策 |
|---|---|---|
| カサブランカを使用 | 強い香り、大量の花粉 | 香りが少なく花粉の出ない花材を選ぶ |
| 背の高い花器を使用 | 不安定、水がこぼれやすい | 重心が低く安定した花器を選ぶ |
| 水替えを頻繁に行う | 作業効率の低下、事故のリスク | 長持ちする花材と低メンテナンス設計 |
これらの失敗を通じて、僕はオフィスでデスクに花を飾るための独自のルールを確立していくことになります。建築設計で培った「機能性と美しさの両立」という視点が、ここでも活かされることになったのです。
オフィスで花を飾るメリットを実感した瞬間

仕事のデスクに花を飾るようになってから、最初に感じた変化は「朝の気分」でした。それまでの僕は、毎朝オフィスに着くと、まずパソコンを立ち上げて、メールチェックから1日をスタートしていました。しかし、小さな一輪挿しに白いガーベラをデスクに花を飾るようになってからは、まずその花に目が向くようになったんです。
集中力の変化を数値で実感
最も驚いたのは、集中力の持続時間が明らかに延びたことです。以前は午後2時頃になると必ずと言っていいほど眠気に襲われ、作業効率が落ちていました。ところが、デスクに花を置いてから約2週間後、ふと気づいたのは「今日は午後の眠気がない」ということでした。
これは偶然かもしれないと思い、簡単な記録を取ってみることにしました。スマートウォッチの集中時間記録機能を使って、花がある日とない日で比較してみたんです。結果は予想以上でした。
| 期間 | 平均集中時間 | 午後の眠気頻度 |
|---|---|---|
| 花を置く前(1週間) | 45分 | 5日中4日 |
| 花を置いた後(1週間) | 68分 | 5日中1日 |
約23分も集中時間が延びていたんです。これは建築設計の仕事をしている僕にとって、かなり大きな変化でした。
ストレス軽減効果を実感した具体的なエピソード
もう一つ印象的だったのは、クライアントとの難しい打ち合わせがあった日のことです。設計の大幅な変更を求められ、正直かなりイライラして席に戻りました。いつもなら、そのまま机に向かって愚痴をこぼしながら作業を始めるところですが、その日はデスクの端に置いた薄紫のトルコキキョウが目に入りました。
何気なくその花を見ていると、花びらの繊細な重なり方や、茎の自然な曲線に意識が向きました。建築で言えば、無駄のない美しい構造体のような佇まいです。気がつくと、さっきまでのイライラが不思議と和らいでいました。
この経験から、花には「強制的に視点を切り替えさせる力」があることを実感しました。モニターや資料から目を離し、自然の造形に触れることで、頭の中が一度リセットされるんです。
同僚からの意外な反応
当初は「男性が花を飾るなんて」と思われるのではないかと心配していましたが、実際の反応は予想と全く違いました。
最初に声をかけてきたのは、隣の席の先輩でした。「その花、いいね。どこで買ったの?」と聞かれたときは正直驚きました。聞けば、奥さんから「家にも花を飾りたい」と言われていたものの、何を選べばいいかわからずにいたとのこと。
その後も、「デスク周りが明るく見える」「なんか落ち着く」といった声をもらうことが多くなりました。特に印象的だったのは、普段あまり話さない他部署の女性から「センスいいですね」と言われたこと。花一輪でこんなにもコミュニケーションが生まれるとは思いませんでした。

今振り返ると、オフィスで花を飾ることの最大のメリットは、単なる装飾効果ではなく、「日常に小さな変化を生み出すきっかけ」だったのかもしれません。毎日同じデスクで同じような作業をしていても、花があることで季節感や自然のリズムを感じられる。これが、僕の仕事への向き合い方を確実に変えてくれたのです。
失敗から学んだデスクに適した花の選び方
最初にデスクに花を置こうと思った時、僕は花について何も知らないまま、見た目の美しさだけで選んでしまいました。その結果、数々の失敗を重ねることになったのです。しかし、これらの失敗があったからこそ、デスクに花を飾る際の重要なポイントを身をもって学ぶことができました。
香りの強さで同僚に迷惑をかけた初回の失敗
記念すべき最初のデスクフラワーは、真っ白なカサブランカでした。花屋で一目惚れして購入したのですが、オフィスに持参した途端、強烈な香りが周囲に広がってしまいました。隣の席の同僚から「ちょっと香りがきついかも…」と遠慮がちに言われた時の恥ずかしさは今でも覚えています。
この経験から学んだのは、オフィス環境では香りの弱い花材を選ぶことの重要性です。共有空間では、自分が良いと思う香りでも他の人にとっては不快になる可能性があります。
水こぼし事件から学んだ花器選びの重要性
二度目の挑戦では、香りの問題をクリアするためにガーベラを選びました。しかし今度は花器選びで大失敗。細くて背の高いガラス瓶を使ったところ、書類を取ろうとした際に肘が当たって倒してしまい、水がデスク全体に広がってパソコンの近くまで浸水しました。幸い機器に被害はありませんでしたが、冷や汗ものでした。
この事件以降、僕はデスク用花器の3つの条件を決めました:
- 底面が広く、重心が低い形状
- 高さは15cm以下(視線を遮らない)
- 口が狭すぎず、水替えが簡単
現在愛用しているのは、陶器製の小さなボウル型花器です。底面直径8cm、高さ7cmで、万が一倒れても水の量が少ないため被害を最小限に抑えられます。
実践から導き出したデスク向け花材の条件
1年間の試行錯誤を経て、僕なりの「デスクに適した花の条件」が確立されました。以下の表は、実際に試した花材の評価をまとめたものです:
| 花材 | 香りの強さ | 日持ち | 手入れ頻度 | デスク適性 |
|---|---|---|---|---|
| ガーベラ | 弱 | 5-7日 | 3日に1回 | ◎ |
| カラー | 弱 | 7-10日 | 3日に1回 | ◎ |
| カサブランカ | 強 | 7-10日 | 2日に1回 | × |
| バラ | 中 | 5-7日 | 2日に1回 | △ |
| トルコキキョウ | 弱 | 7-10日 | 3日に1回 | ◎ |
特にガーベラとカラーは初心者におすすめです。ガーベラは色のバリエーションが豊富で、1輪でも存在感があります。カラーは洗練された印象で、建築的な美しさがあるため男性のデスクにも馴染みやすいと感じています。
季節を考慮した花材選びのコツ

夏場のエアコン環境では花が早くしおれがちになることも発見しました。7月に置いたガーベラが2日で首を垂れてしまった経験から、季節に応じた花材選びの重要性を痛感しています。
現在は月曜日の朝に新しい花に替え、水替えは水曜日の1回のみ。金曜日の夕方まで美しさを保てる花材を中心に選んでいます。この週1回の交換サイクルが、忙しい平日でも無理なく続けられる秘訣だと確信しています。
同僚に迷惑をかけない香りと花材の基準
オフィスで花を楽しむ最初の大きな壁は、香りの問題です。僕は最初の数週間で、同僚から「今日は何か匂いませんか?」という遠回しな指摘を何度も受けました。特に印象的だったのは、美しいカサブランカをデスクに飾った時のこと。午前中は自分でも心地よく感じていたのですが、午後になると隣の席の先輩が頭痛薬を飲んでいるのを見て、慌てて花を撤去した苦い経験があります。
香りの強さを5段階で判定する実践的基準
この失敗を機に、僕は独自の香り判定基準を作りました。花材を購入する際は、必ず以下の5段階チェックを行います。
| レベル | 香りの特徴 | オフィス適性 | 代表的な花材 |
|---|---|---|---|
| 1 | ほぼ無香 | ◎ | ガーベラ、アンスリウム |
| 2 | 近づくと微香 | ◎ | トルコキキョウ、カラー |
| 3 | 1m離れると感じない | ○ | バラ(品種による)、スプレー菊 |
| 4 | 2-3m先まで香る | △ | スイートピー、フリージア |
| 5 | 部屋全体に香りが広がる | × | カサブランカ、ジャスミン |
実際にデスクに花を飾る場合は、レベル2までが安全圏です。レベル3でも午前中に購入して夕方まで持つ程度なら問題ありませんが、週明けに飾って金曜日まで置くような場合は避けた方が無難です。
季節別・オフィス適応花材の実践リスト
2年間の試行錯誤で分かったのは、同じ花でも季節によって香りの強さが変わることです。特に夏場は、普段は微香の花でも室温上昇とともに香りが強くなる傾向があります。
春(3-5月)のおすすめ花材:
– ガーベラ:色のバリエーションが豊富で、香りはほぼゼロ。花持ちも1週間程度と優秀
– スプレー菊:和のイメージが強いですが、洋風の品種も多く、香りも控えめ
– アルストロメリア:小ぶりで上品、香りも気になりません
夏(6-8月)の注意点:
この時期は特に慎重になります。エアコンの風が直接当たる場所では、香りが拡散しやすくなるためです。僕は夏場はアンスリウムや観葉植物との組み合わせに切り替えています。
秋冬(9-2月)の狙い目:
– トルコキキョウ:花持ちが良く、香りも穏やか
– カラー:シンプルで洗練された印象、ほぼ無香
香り判定の具体的な方法
花屋で花材を選ぶ際は、以下の手順で香りチェックを行います:

1. 購入前の距離テスト:花から50cm離れた位置で香りを感じるかチェック
2. 時間経過の想定:朝9時に飾って夕方6時まで持つかを店員さんに確認
3. 組み合わせの注意:複数の花材を組み合わせる場合、香りが混じって強くなることを想定
実際に僕がデスクで花を飾るようになってから、集中力の向上を実感していますが、それは周囲への配慮があってこそ成り立つものです。最初の失敗から学んだこの基準を守ることで、今では同僚からも「いつも素敵な花を飾っていますね」と好意的に受け取ってもらえるようになりました。
水こぼし事故を防ぐ安全な花器の選び方
今でも思い出すと冷や汗をかくのが、転職して2年目の秋に起きた「パソコン水濡れ事件」です。朝一番にデスクに花を飾り、午後の会議中に同僚の肘が花器にぶつかって、大量の水がキーボードに流れ込んでしまいました。幸い機器の故障は免れましたが、この経験から学んだのは「オフィスで花を楽しむには、安全性が最優先」ということでした。
底面積の広い花器が絶対条件
水こぼし事故の最大の原因は、花器の重心が高すぎることです。僕が最初に使っていたのは、高さ15cmの細長いガラス花器でした。見た目はスタイリッシュでしたが、安定性は最悪。少しの振動でも揺れてしまい、常に転倒の危険と隣り合わせでした。
現在愛用しているのは、底面直径8cm、高さ6cmの低重心型陶器花器です。この形状にしてから、5年間で一度も転倒事故は起きていません。選ぶ際の目安として、「高さ÷底面直径」の比率が1以下になる花器を選んでいます。数値で管理することで、見た目だけでなく機能性も確保できるんです。
素材選びで変わる安全レベル
花器の素材によって、万が一の事故時のリスクは大きく変わります。僕が実際に使い比べた結果をまとめると、以下のような特徴があります:
| 素材 | 安全性 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 陶器 | ◎ | 重量があり安定、割れても破片が大きい | 重い、完全に割れると使用不可 |
| 樹脂製 | ○ | 軽量、割れにくい | 安定性に欠ける、安っぽく見える場合も |
| ガラス | △ | 透明感があり美しい | 割れやすい、破片が危険 |
特にオフィスでデスク花を飾る場合、周囲への配慮も重要です。ガラス製品が割れた時の清掃や、破片による怪我のリスクを考えると、陶器製が最も適していると実感しています。
水量コントロールで被害を最小限に
どんなに安全な花器を選んでも、中の水が多すぎては意味がありません。僕は「花器の容量の3分の1以下」を鉄則にしています。例えば、300mlの花器なら水は100ml以下に抑える。これにより、万が一転倒しても被害を最小限に抑えられます。
水量を減らしても花が萎れないよう、吸水スポンジ(オアシス)を併用する方法も効果的です。スポンジが水を保持してくれるため、少ない水量でも花は十分に水分補給できます。さらに、花がしっかり固定されるため、花器自体の安定性も向上するという一石二鳥の効果があります。
実際の運用では、月曜日の朝に50mlの水とカットしたオアシスをセットし、木曜日に水を足すだけで一週間持たせています。この方法なら、忙しい平日でも安心してデスクに花を飾ることができ、仕事の合間に自然の美しさを感じられる環境を維持できています。
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