フラワーアレンジメントで「詰め込みすぎ」から脱却した転換点
フラワーアレンジメントを始めて最初の1年間、僕は完全に間違った方向に進んでいました。「せっかく花を買ったんだから、全部使わないともったいない」という貧乏性な考えから、購入した花材を隙間なく花瓶に詰め込んでいたのです。結果として出来上がるのは、まるで花屋の店先のような、ごちゃごちゃした印象のアレンジメント。建築設計では「Less is more(より少ないことは、より豊かなこと)」を理解していたはずなのに、花になると途端にそれを忘れてしまっていました。
建築の「余白」概念に気づいた決定的な瞬間
転換点は独学2年目の春、自宅のダイニングテーブルに置いた大きなアレンジメントを見た時でした。テーブルの上に20本近いガーベラとかすみ草を使った作品を置いたところ、家族から「圧迫感がある」と指摘されたのです。その瞬間、建築設計で学んだ「機能的余白」の重要性を思い出しました。

建築において余白は単なる空いた空間ではありません。人の動線を確保し、光を取り入れ、視覚的な安らぎを生み出す積極的な要素です。フラワーアレンジメントのバランスにおいても、この考え方が完全に当てはまることに気づいたのです。
「70%ルール」の発見と実践
その日から僕は、「空間の30%の花で70%の空間を演出する」という独自のルールを設定しました。これは建築設計でよく使われる「開口率30%」の考え方を応用したものです。具体的には以下のように実践しています:
| 従来の詰め込み型 | 30%ルール適用後 |
|---|---|
| ・花瓶の容積いっぱいに花材を配置 ・すべての角度から花が見える状態 ・色とりどりの花材を多用 |
・花瓶の見た目容積の30%程度に花材を集約 ・意図的な空間を複数箇所に配置 ・メインカラー1色+アクセント1色に限定 |
この変更により、同じ花材を使っても視覚的な印象が劇的に変化しました。特に効果を感じたのは、帰宅後にダイニングテーブルのアレンジメントを見た時の心理的な影響です。詰め込み型では「華やかだが落ち着かない」印象だったものが、30%ルールを適用することで「上品で安らぎを感じる」存在に変わったのです。
失敗から学んだ「引き算」の技術
ただし、この30%ルールの習得には相当な試行錯誤が必要でした。最初は花材を減らしすぎて「寂しい」印象になることが多く、特にバラ3本だけで作ったアレンジメントは、まるで仏花のような地味な仕上がりになってしまいました。
重要なのは、単純に花の本数を減らすのではなく、「どの部分に余白を作るか」を戦略的に決めることでした。僕が最終的にたどり着いたのは、花材の配置を決める前に「この空間をどう見せたいか」を明確にイメージする手法です。これにより、フラワーアレンジメントのバランスが格段に向上し、限られた休日時間でも満足度の高い作品を作れるようになりました。
建築設計者が気づいた「余白の力」とは
建築設計事務所で働いていた頃、私は常に「どれだけ機能を詰め込むか」を考えていました。限られた空間に、クライアントの要望をできる限り盛り込む。それが良い設計だと信じて疑わなかったのです。
しかし、フラワーアレンジメントを始めた当初、私は同じ過ちを犯していました。花瓶いっぱいに花を詰め込み、色とりどりの花材を使って「豪華さ」を演出しようとしていたのです。
「詰め込み過ぎ」から学んだ失敗体験
独学を始めて半年が経った頃、自宅のリビング用にバラとカスミソウ、グリーンを使ったアレンジメントを作りました。花屋で購入した花材をすべて使い切ろうと、直径20cmの花瓶に15本ものバラを詰め込んだのです。

完成した作品を見て愕然としました。まるで花の密林のような、息苦しい印象になってしまったのです。個々の花の美しさは完全に埋もれ、全体としてまとまりのない、野暮ったい仕上がりでした。妻からも「なんだか圧迫感があるね」と率直な感想をもらい、自分のアプローチが根本的に間違っていることに気づきました。
建築の「余白」概念をフラワーアレンジメントに応用
その失敗をきっかけに、私は建築設計で学んだ「余白の力」をフラワーアレンジメントに応用することを思いつきました。
建築において余白とは、単なる「空いている空間」ではありません。意図的に設けられた「呼吸する空間」であり、建物全体の美しさを引き立てる重要な要素です。例えば、日本の伝統建築では、縁側や中庭といった「何もない空間」が、建物に品格と落ち着きを与えています。
この考え方をフラワーアレンジメント バランスに取り入れてみました。具体的には、以下の「30-70ルール」を自分なりに確立したのです。
| 要素 | 割合 | 役割 |
|---|---|---|
| 花材 | 30% | 主役として存在感を示す |
| 余白 | 70% | 花の美しさを際立たせる |
実践で証明された「引き算」の効果
このルールを実際に試してみました。同じ花瓶に、今度は5本のバラだけを配置。茎の長さを変えて高低差をつけ、花同士の間隔を意識的に広く取りました。
結果は劇的でした。一本一本のバラの美しさが際立ち、花瓶全体に上品な緊張感が生まれたのです。リビングに置いた時の印象も、以前の圧迫感から一転して、空間に自然に溶け込む洗練された佇まいに変わりました。
この経験から、フラワーアレンジメントにおける余白は以下の3つの効果があることが分かりました:
– 視線の誘導:余白があることで、見る人の目が自然と花に向かう
– 品格の演出:詰め込み過ぎない余裕が、上品な印象を生み出す
– 空間との調和:周囲の環境と自然に馴染み、圧迫感を与えない
建築設計で培った「機能美」の考え方が、まさかフラワーアレンジメントでも通用するとは思いませんでした。この発見が、私の花に対するアプローチを根本から変える転機となったのです。
花を70%詰め込んで失敗した初心者時代の実体験

独学を始めた頃の僕は、「花は多ければ多いほど豪華で美しい」と思い込んでいました。建築設計の仕事では「機能性」を重視していたのに、花に関してはなぜか「とにかく埋め尽くす」という発想になってしまっていたんです。
花屋で購入した15本のバラで作った「失敗作」
独学2ヶ月目のある週末、近所の花屋で新鮮なバラを15本購入しました。当時使っていた花瓶は高さ20cm、口径12cmの一般的なサイズ。「15本もあれば立派なアレンジメントができるだろう」と意気込んで、すべての花を均等に配置していきました。
結果は惨憺たるものでした。花同士が押し合い、茎が窮屈そうに束になり、まるで「花の満員電車」のような状態に。見た目は確かに華やかでしたが、どこか野暮ったく、安っぽい印象になってしまいました。妻に見せると「お疲れ様でした」という微妙な反応。明らかに失敗でした。
その時の失敗を数値で振り返ると:
– 花瓶の容量に対して花の本数が300%オーバー
– 各花の間隔が1cm以下で圧迫感が強い
– 全体のシルエットが円筒形になり、立体感ゼロ
「70%埋める」発想から抜け出せなかった3ヶ月間
この失敗後も、僕は本数を減らすことに抵抗がありました。「花代がもったいない」「せっかく買ったのに使わないのは無駄」という貧乏性が邪魔をしていたんです。
その後3ヶ月間、様々な花で試行錯誤を続けました:
| 試行回数 | 使用した花 | 本数 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 1回目 | ガーベラ | 12本 | 密集しすぎて重い印象 |
| 2回目 | カラー | 10本 | やや改善も、まだ窮屈 |
| 3回目 | トルコキキョウ | 8本 | 少し余白を感じるが物足りない |
どの作品も、フラワーアレンジメント バランスという観点から見ると、明らかに「花の分量過多」でした。建築設計では当たり前に考�ている「余白の美しさ」を、なぜか花には適用できていなかったんです。
転機となった建築雑誌の1枚の写真
転機が訪れたのは、独学4ヶ月目のことでした。仕事で参考にしていた建築雑誌をめくっていると、ミニマルな住宅のリビングに飾られた たった3本のユリ が目に飛び込んできました。
その写真の花瓶は僕が使っているものと同じくらいのサイズでしたが、3本のユリが作り出す空間の美しさは圧倒的でした。花と花の間に十分な空気があり、それぞれの花が「呼吸」しているように見えたんです。
「これだ!」と直感しました。建築で言う「構造の美しさ」と同じで、花も 「引き算」で魅力を最大化 できるのだと。

翌週末、僕は意を決して白いユリを3本だけ購入し、その写真を参考にアレンジメントを作りました。結果は今でも記憶に残る「初めての成功作」となりました。妻からも「今までで一番素敵」という言葉をもらい、ようやく正しい方向性を掴むことができたのです。
この経験から学んだのは、花の本数ではなく、配置と余白のバランスが美しさを決める ということ。それまでの「埋め尽くす」発想を捨てて、「空間を活かす」思考にシフトできた瞬間でした。
空間の30%で魅力を最大化する「引き算」の発想転換
建築設計で学んだ最も重要な原則の一つが「引き算の美学」だった。新人時代、僕は空間を埋めることばかり考えていて、上司から「何もない部分こそが空間を生かす」と指摘されたことがある。この考え方がフラワーアレンジメントでも通用することに気づいたのは、独学を始めて2年が経った頃だった。
失敗から学んだ「詰め込み過ぎ」の落とし穴
当初の僕は、せっかく買った花を全て使おうとして、花器にぎっしりと花を詰め込んでいた。10本のガーベラを購入すれば10本全て、5種類の花材があれば全てを一つのアレンジに収めようとしていた。結果として生まれるのは、ごちゃごちゃした印象の野暮ったい作品ばかりだった。
転機となったのは、ある日曜日の朝に作ったシンプルなアレンジメントだった。前日に市場で購入したダリア5本のうち、2本を別の花器に移し、残り3本だけで構成を考えてみた。すると、それまでとは全く違う上品な仕上がりになったのだ。花同士が互いの美しさを引き立て合い、空間に余韻が生まれた。
建築思考を応用した「30%ルール」の実践
この経験から、僕は建築設計で使っていた「有効率」の概念をフラワーアレンジメントに応用することにした。建築では、敷地面積に対して実際に建物を建てる割合を「建蔽率」として管理するが、花のアレンジでも同様に「花材の占有率」を意識的にコントロールすることで、フラワーアレンジメント バランスが格段に向上することを発見した。
具体的には、花器の容量に対して花材が占める割合を30%程度に抑える「30%ルール」を自分なりに確立した。例えば、直径15cmの花器を使う場合、実際に花を配置するのは中央から半径2-3cm程度の範囲に留める。残りの70%は「余白」として機能させる。
| 花器のサイズ | 推奨花材配置範囲 | 目安本数(中輪花の場合) |
|---|---|---|
| 直径12cm | 中央半径2cm | 3-5本 |
| 直径15cm | 中央半径3cm | 5-7本 |
| 直径20cm | 中央半径4cm | 7-9本 |
視覚的重心をコントロールする配置術
引き算の発想で重要なのは、単に花の本数を減らすことではない。空間の中で花がどのような重心を作るかを計算することだ。建築設計では「視線の流れ」を意識して空間を構成するが、フラワーアレンジメントでも同様の考え方が有効だった。
僕が実践している方法は、まず花器の中心を基点として、最も目立たせたい花(フォーカルフラワー)を配置し、その周りに補助的な花材を非対称に配置することだ。対称的な配置は安定感があるものの、動きや躍動感に欠ける。あえて左右のバランスを崩すことで、見る人の視線が自然に花の間を移動し、30%の花材で100%の空間を活用できる効果が生まれる。

この「引き算」の考え方を身につけてから、限られた予算と時間の中でも、プロのような仕上がりのアレンジメントが作れるようになった。何より、作品全体に「余韻」が生まれ、部屋に置いた時の存在感が格段に向上したのが大きな収穫だった。
フラワーアレンジメントのバランスを決める配置ルールの基本
建築設計の現場で学んだ「構造力学」の考え方が、フラワーアレンジメントのバランスにも応用できることに気づいたのは、独学を始めて1年半が経った頃でした。最初は感覚だけで花を配置していましたが、何度作っても「なんとなく不安定」な仕上がりになってしまう。そこで建築の基本である「重心」と「支点」の概念を花の配置に当てはめてみたところ、劇的に安定感のある作品が作れるようになったんです。
重心を意識した「三点配置法」
フラワーアレンジメントのバランスで最も重要なのは、視覚的重心の位置です。建築でいう構造の安定性と同じで、重量感のある花材をどこに配置するかで全体の印象が決まります。
私が実践している基本ルールは以下の通りです:
重心配置の3つのポイント
– 主役となる大きな花は全体の下部1/3に配置:バラやガーベラなど存在感のある花は低い位置に
– 中間の花材は中央部分に散らして配置:トルコキキョウやスプレーバラなど
– 軽やかな花材は上部に配置:かすみ草やユーカリなど動きのある素材
この配置法を使い始めてから、作品の安定感が格段に向上しました。実際に、以前は10作品中7作品が「なんとなく不安定」だったのが、現在では9割以上の作品で満足のいくバランスが取れるようになっています。
色彩バランスの「70-20-10ルール」
建築のインテリアデザインでよく使われる色彩比率を、フラワーアレンジメントのバランスにも応用しています。これは私のオリジナルの手法で、他のアレンジメント本では見たことがない方法です。
| 色の役割 | 割合 | 具体例 | 効果 |
|---|---|---|---|
| ベースカラー | 70% | 白、薄緑、クリーム色の花材 | 全体の統一感を作る |
| メインカラー | 20% | 赤いバラ、紫のトルコキキョウ | 作品の主張を表現 |
| アクセントカラー | 10% | 濃い紫、鮮やかな黄色 | 全体を引き締める |
この比率を意識するようになってから、「色がうるさい」「まとまりがない」という失敗がほぼなくなりました。特に男性は色の組み合わせに苦手意識を持ちがちですが、数値化することで論理的にアプローチできるのが大きなメリットです。
空間配置の「奇数の法則」
建築設計でも重要な「奇数配置」の考え方は、フラワーアレンジメントのバランスでも威力を発揮します。人間の目は偶数よりも奇数の配置に美しさを感じる傾向があるためです。
実践的な奇数配置のコツ
– 花材の種類は3種類または5種類に絞る:初心者は3種類から始めるのがおすすめ
– 同じ花は奇数本使用する:バラなら1本、3本、5本のいずれか
– 高さの異なる3つのレベルを作る:低・中・高の3段階で立体感を演出
この法則を使って作った作品は、偶数配置の時と比べて明らかに「プロっぽい」仕上がりになります。実際に職場の同僚に見せたところ、「花屋で買ってきたみたい」と言われるほどでした。週末の限られた時間でも、これらのルールを意識するだけで確実にレベルアップできるのが、理系思考の男性には特に合っていると感じています。
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